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2007年3月15日 (木)

誰のために

私の周りではあまり評判の良くないドラマ、「東京タワー」を最近見ています。

普段はドラマをあまり見ないのですが、原作本を読もうと思っているうちに
ドラマ化されたので、なんとなく見ているのです。
そのテレビドラマ化が、私の知人の間ではどうも評判が良くないようです。
なかなか難しいものですね ^_^;

でも、もう来週は最終回なのですよ。最近のテレビドラマは進行が早いです。


さて本題。今週、主人公のお母さんがガンで入院し、抗がん剤治療を
受けるシーンがありました。偶然にもベリーと同じプラチナ製剤で、
シスプラチンという薬剤を使っていました。

プラチナ製剤は、遺伝子DNAに直接的に働きかけ、その複製を防ぐ働きをし、
さらに分裂できなくなった細胞を殺します。
そして多くのガンに対して治療効果があると言われています。
シスプラチンはその草分け的存在ですが、一方でとても副作用の
強い薬でもあります。(ちなみに、そのシスプラチンの副作用を軽減するために
改良されたものが、今ベリーの使っているカルボプラチンという薬です。)

ドラマの時代設定が10年ほど前なのでシスプラチンを使っているのか、(とはいえ
80年代半ばにはカルボプラチンはありましたが・・・) ガンの性質上、シスプラチンが
選ばれたのかは私にはわかりませんが、彼女はとても強い副作用に苦しみます。
そして2回目の投与を終えたあと、息子に、「もう治療を止めたい」と言うのです。

彼女の病は進行性胃がんで、治療を止めることは死を早めることを意味します。
それを知りながら、治療を止めることを選択したのです。

これはドラマですから、見て言えることは私の主観だけですし、
人間と犬を同じに考えることはもちろんできません。
ただ犬は、自分の病を、そして未来をも知ることがなく、自分のために
自分自身では何も選択できないことを、改めて心に思いました。

先日の公開講座でも言われた「命の委任」とは、本当に重く深いものです。

以前にも書きましたが、治療の基本は己のためではなく、その子のためで
あることを忘れてはならない、と私は思います。(あくまでも私見ですが)
ある人は夫に、「現状で抗がん剤を使うことは、犬を苦しめるだけ。」と
忠告してくれたそうです。

また、ベリーの大学病院の先生は私にこう言いました。
「何もしないことも、治療における重要な選択肢の1つです」 と。

この言葉の意味を、改めて深く反芻する今日この頃です。
 
 

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コメント

本当に難しい問題だよね。
亡くなった鈴木ヒロミツさんは余命3ヶ月と
医師に告げられて、延命治療を選択せず、自宅で
家族と過ごす道を選んだとお聞きしたわ。
友人はホスピスを選択したの。
・・義母は術後抗がん剤を3年飲むと説明されて
今、1年過ぎたところなんだけど、日々副作用に
悩まされているのね。
副作用が体力を奪い、逆に免疫力を落とすようで
は全く意味が無いし・・。
ケースバイケース、その時々で悩みながら進んで
いくしかないんだね、きっと。

投稿: ギグルママ | 2007年3月15日 (木) 22:55

本当に難しい・・・
正解なんてないから、自分がどうしたいか、どうしたら納得できるのか、
そういうことなのかな、きっと。
1%でも望みがある限り、厳しい治療を選ぶ人だっていると思うし。

犬の場合、人生における1年が人間よりもずっと長いから、
少しでも延命できれば・・・って考える人も多いはず。
ベリーの先生は、よくQOLという言葉を口にするよ。
それは1つの目安に過ぎないけど、自分で選べないからこそ
大事なことなのかもしれないね。

投稿: べに | 2007年3月16日 (金) 18:33

べにさん、こんにちわ。久しぶりにブログを拝見したら、ベリーさん少しだけ厳しくなってきましたね。
べにさんは、ご自信の考えもしっかりともって、よく勉強し、先生と相談し、治療を進めていらっしゃるので、私がとやかく言う事はおかしいのですが・・・。わかっていると思いますが・・・。同じ事を先生に言われていた経験者として書かして下さいね。
抗がん剤治療も難しいですね。動物医療での抗がん剤目的は、主に生存期間と再発期間の延長です。もしくは、奇跡というか完治を目指してです。
固形ガンの場合は、腫瘍がなくなるまで抗がん剤を使うというのが、医学的考えなのですが、不可能ですよね。使える薬剤も限られているし、技術もカテーテルなどを使う事ができませんから・・・・?
だから、先生達も状態を診ながら投与していらっしゃる。抗がん剤にはタイミングも必要ですからね。タケルの場合は、多剤でしたが、合計14回投与しました。15回目の段階で、先生が、ボク・・・、これ以上は打てません・・・。気弱ですいません。って、おっしゃいました。
血液検査状では打てるラインだったし、副作用もなかったし、肝機能・腎機能も安定していたんです。だけど、先生は正直におっしゃった。抗がん剤に対して抗体が出来ている可能性もあるし、何よりも人間ならば、苦しい。これ以上は止めてくれ~って言うと思いますって・・・。
タケルの抗がん剤治療の効力の低さは最初から言われていたことだし、私からお願いした治療でした。ただ、13歳の誕生日という目標設定もしていたので、それがクリアできた為に迷わず中止する事も出来たのです。
引き時にもタイミングがあると思います。それに薬の限界もある。私は、正直な先生に出会えてよかった(笑)と思ってます。
先生とよくよく相談して、抗がん剤治療を考えて下さいね。

何もしない治療・・・言葉的には悪いですが、癌治療において積極的治療を行わないだけです。私は、リンパ球療法を選んだので癌治療をやめなかったじゃないか?と言われたらそうなんですが、それも緩和治療として選択したわけですから・・・・。同じ意味なんです。
何もしない治療を選んだ時期にこそ、べにさんが目指すハッピートライアングルの形を築けたのだと感じています。
何もしないと言っても、診察も対処療法はきっちりしてくれるわけですし、がん治療をしないから、さよならって言う事ではないんです。
今後の病後の考えられる事全てをお話して頂き、それに対しての予防として薬も処方してくれます。タケルの場合は貧血・DICが特徴だった為、輸血・エリスロポエチンの注射をしてくれました。通院中の子の中には、おしっこを出しに来ている子や、酸素呼吸器の貸し出し、ICU室でゆっくり休ませる為に通院していた子もいましたよ。
もちろん、医療としては出来る事は限られてはいましたが、先生はいつもやさしい心配りをしてくれました。先生足が悪いのに、動けないタケルをだっこしてくれ運んでくれましたよ。
この時期は、医療2としたら看護・愛情8で、飼い主さんの役割がとても重要な時期なんだと思います。QOLを守るという事は、簡単な事じゃない。その子が出来なくなる事が多くなってきたら、悲しみも苦しみも増えますし、飼い主としての責任や使命感にかりたてられる・・・。
それをクリアーする事が学び得る事なんだなぁ~って、私は感じました。もちろん成長もしていましたよ。
長々と書いてしまったんですが・・・・?べにさんもベリーさんも十分過ぎるほど、頑張っていらっしゃる・・・。
頑張れ!頑張れ!って言い続けられないけど、心から応援しております。ご自信が納得いく治療・方法を見つけて下さいね。

投稿: タケルママ | 2007年3月19日 (月) 09:52

◆タケルママさん

いつも丁寧なコメントをありがとうございます。

ベリーの治療の目的を、完治か延命か緩和かと問われたら、始めから延命なのです。
肛門嚢アポクリン腺腫瘍は、どんなに小さい時に発見できたとしても
かなりの確率で再発・転移すると言われています。
ですからベリーのように、ある程度大きくなってから悪性化してしまったものは
ほとんど完治は望めません。
それを承知した上で、外科的処置→免疫療法→化学療法という治療をしてきました。

私はたとえあとで後悔する時がきても(いえ、何をしても後悔するからこそ)、
その時々の自分の選択に自信を持っていたいのです。
そして治療における主導権を持っていたいと考えています。
ですから先生方のご意見は、その自信を裏付けるための情報の1つと考えています。

ベリーは本当によく頑張っていると思いますよ。なので私はその意思を
汲み取ることが1番の役目だと思っています。
それは誰でもない飼い主にしか出来ないことですから。^^

投稿: べに | 2007年3月19日 (月) 19:41

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